2018年3月29日木曜日

三江線と鹿島鉄道とバス転換と

三江線の運転も残すところ本日を含めて3日となりました。
廃止後の転換バスは5系統に分けられという話があります。
(細かく分割される三江線代替バス路線)
こちらのブログでは現在の三江線のルートは地元需要に即していない以上、直通が無くなっても困らないという見解です。
ただ、私自身は正直観光路線として全く使えないバス路線では観光客は皆無に近くなるであろうし、肝心の地元住民でも果たして利用者は維持できるのか正直微妙だと思います。(事実として三江線運休中にバス増便の実験を行った際、利用客は本数に対して増えませんでした。)
それで思ったのは2007年に廃止された鹿島鉄道です。
鹿島鉄道玉里駅にて とある平日の光景
鹿島鉄道は当面の存続に6.5億円の支援が必要されたものの、公的支援が打ち切られたことにより代替バスに転換されました。しかしながら併走していた道路は交通量が多く、混雑により定時性が確保できなかったことから大幅な利用者減となりました。
そこで開業した茨城空港へのアクセス確保も兼ねて一部区間がBRT化されました。
この結果ある程度の利用客がが回復しましたが、結果的には事業費は鹿島鉄道存続に必要な支援金を大きく上回る8.3億が使われることとなり、利用者数も本数こそ増えたもののそれでも鹿島鉄道時代を大分下回っています。
 確かにアンケートで本数や停車場が増えて便利になったという肯定的意見が6割を超えていますが、そもそも利用者の絶対数が違う上に、BRTを利用している人のみからともわれるアンケートですので、鉄道廃止後は利用しなくなった人の意見を調査するとまた違った意見が出てくるのではないかと思います。
更にいうとBRTの恩恵を受けられたのは石岡から常陸小川までであるという点も忘れてはいけません。
(出展及び参考 鹿島鉄道跡地バス専用道化事業案)
http://wwwtb.mlit.go.jp/kanto//kankou/saisei/seminar_symposium/date/25/kashitetu.pdf
鉾田駅にて廃止直前の光景
さて三江線に話を戻しますと、廃止後は口羽、伊賀和志、宇都井駅あたりはレジャースポットとして活用していくようですが、そこらをカバーするのは備北交通の国道ルートになるみたいです。その場合果たしてマイカー客以外でどれだけ観光客を誘導できるのか。
そもそも何度も廃線が議論されながら、存続されてきた理由が代替道路の未整備であった時点(実際問題代行タクシーの接続の遅れや道中の落石現場に遭遇し、その理由を実感されられました。)で安定した定時性を確保できるのか、また大雪による運休時代行タクシーを利用した身としてはやはり鉄道と車では移動の疲労感が違うということが身に染みました。
採算や利用者数だけみたら廃止は確かに妥当なのかもしれません。とはいえ廃止転換後のバスが地元の利益にとって正しかったのか、廃止後こそ本当の意味で沿線にとって試練の時になるのかもしれません。

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