「寝台列車廃止」はJRの最も賢明な選択だった
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20180629-00227112-toyo-bus_all&p=1
この記事自体が冒頭でJRの更なる分割案を予想している時点でかなり営利主義優先的な記事であることを感じさせますが(そもそも尼崎事件などの遠因とされるJR西日本の経営の不安定さや体質は東海と更に分割してしまい東日本の首都圏や東海の東海道新幹線という高い収益基盤を持てなかったこが原因だと当時から指摘され続けています)
更にいうと個人的には少子高齢化社会及びバス運転手不足や東京や大阪、京都におけるホテル不足という実情を考えれば単に利益が少ないからで寝台列車の必要性を議論しないのは公共交通機関としてどうなのかという思いがあります。
夜行バスは確かに安さと夜間移動可能という大きな強みを持ちますが、安さはバブル崩壊後の不景気や規制緩和による過当競争や運転手の賃下げなど負の側面が大きく、また夜間移動が可能であったもその快適性は一部のプレミアムシートのような存在を除けば決して良いとは言えず、有名なローカル番組『水曜どうでしょう』で夜行バス移動の過酷さは利用経験がなくとも十分理解できると思います。
十鉄廃止の際に乗った行きのウィラー3列シート 行きは高くても体力温存を優先しました |
そのような寝台移動と座席移動の需要性の違いも無視されている点もこの記事の問題点だと思います。
舞浜駅に到着直後のわくわくドリーム号 TDL利用者のみならず、583系マニアの利用も需要を支えていた |
①JR東海の機関車運転手全廃の方針によって客車寝台車は東海道線内においては強制的に廃止に追い込まれた
②車両を新造するサイクルであった20年という間隔の真っ只中がバブル崩壊直後であり、結果車両の新造が見送られ、結果として客車の老朽化による廃車時期=列車廃止という状況となった。
③車両が新造されなかったことにより、老朽化とライバルである夜行バスやビジネスホテル相手に値段・質ともに叶わなくなり奪われるようになった
④夜行バスの台頭及び東横インなどの全国チェーン系のビジネスホテルが普及していった。
⑤トラック輸送も同様に不景気で単価の引き下げが進み、夜行バスの値段が著しく安くなった。
⑥新幹線のスピードアップや増発が進んだり、飛行機も早めに購入すれば安く行けるようになったためにそれらにもシェアを奪われた
⑦JRが分社化されて車両の管轄や走る区間などの利害が複雑化して消極的になった。
⑧夜行列車を走らせるよりも、鉄道業全体の利用客の低下を鑑みて駅の夜間営業を辞めるなどして省力化する方針が優先された
⑨サンライズ出雲・瀬戸はキャパが少なすぎて、繁忙期の需要を満たせないなどのデメリットが運行開始後に露呈して増備が見送られた
⑩不景気が長く続いた結果、今後ビジネスホテル不足は起こらないだろうし、大都市圏の値段も高騰しないだろうという見込みで寝台特急は不要とみなされた(ある意味今のウイスキーブームを予測せずに供給を極端に絞った結果、極端な原酒不足に陥っているのは似ているように思えます)
一時は不要論も出た国鉄鉄道貨物輸送 |
結局のところは国鉄分割民営化から全てがはじまったともいえます。
そもそも賢明な判断というのなら、民営分割ご安心ください ブルートレインなどの長距離列車もなくなりませんというあの時の約束はなんだったのでしょう・・・
あえてその画像は貼りませんが
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